ロレックス(ROLEX)エクスプローラーⅠ|時計のオーバーホール・修理事例/料金・費用

時計修理事例

CASE STUDY

ロレックス エクスプローラーⅠ 

ロレックス エクスプローラーⅠ 

修理ブランド ロレックス(ROLEX)
修理内容 オーバーホール
不具合内容 ネジを巻いても動かない

修理前
お客様はご購入から20年以上になりますが、ネジを巻いても動かないということで、今回ネット申込にて初めて当社にオーバーホール集荷見積りをご依頼いただきました。今まで1度だけオーバーホールはされていましたが、前回より7~10年ほど経過してのオーバーホールです。

修理後
当社の技術者が裏蓋を開封して内部を拝見いたしましたところ、ムーブメント内部の受け板といわれる部品のネジが緩んで外れており、それが機械に挟まって自動巻が全く効かない状態でした。さらに動力源であるゼンマイも経年劣化によって切れやすくなっていましたので、要交換という診断となりました。時計のケースとブレスレットを連結するバネ棒2本が、経年劣化で内部のバネが固着して伸縮性が無くなっていましたので、2本交換となりました。また、当社のホームページで外装研磨の事例をご覧になり、ライトポリッシュのご依頼もいただくことになりました。


今回交換したパーツです。
オーバーホールと共に、裏蓋パッキン、チューブパッキン、ゼンマイ、バネ棒2本が交換になりました。チューブパッキンは、リューズのねじ込み部分の小さなパッキンで、裏蓋パッキンと共に交換することで防水性のアップにつながります。バネ棒は、経年劣化で内部のバネが固着して伸縮性が無くなっていましたので、交換となりました。

※今回の修理を通じての総括
・故障が起こった原因を想定した、今後のメンテナンスのアドバイス
弊社では、オーバーホールは3~4年の間隔で行うことを推奨しています。それ以上の年数になりますと、今回の様にネジが経年で緩んで外れてしまったり、機械油が切れた状態で稼働し続けますのでパーツの摩耗が進みます。早め早めのメンテナンスをお勧めいたします。

・修理が大変になる場合の理由など
今回、内装パーツはゼンマイ交換のみで済みましたが、ロレックスの部品は1点が1、2万円~と高額なため、交換パーツが多いと修理費用が高額になる場合があります。

・お客様に喜んでいただいたポイント
修理費用が低く抑えられましたので、追加でライトポリッシュ(¥11,000)をご希望されました。ライトポリッシュは、研磨で細かい擦り傷が綺麗になくなりますので、かなり綺麗に美しく仕上がりました。お客様には納品時に大変お喜びいただけました。

・オーバーホールの流れの中で、作業の特色や工夫点など
今回、本体ケースと裏蓋の隙間に金属の腐食がみられましたので、超音波洗浄と汚れ落としで腐食を除去しました。
オーバーホールは、ムーブメントの分解掃除の頻度のみをお考えになる場合が多いですが、ブレスレットや本体ケース、裏蓋やリューズの汚れを定期的に除去することも大事な作業となります。経年で溜まった汚れから、ステンレスでもサビや腐食が発生します。超音波洗浄やサビ落としで腐食やサビは除去しますが、除去した部分は金属に隙間ができますので、結果的に防水性が弱まります。このような観点からも、早め早めのメンテナンスをお勧めいたします。

 

オーバーホール後のご使用上の注意点をお知らせいたします。
1:防水について
時計の外装は、経年劣化や汗・汚れによる腐食やサビ等によって、新品時よりも防水性が低下しております。また、今回洗浄して汚れがとれたリューズやケースの隙間等から水分が侵入し、くもりの原因となる可能性がありますので、水回りには注意してご使用下さい。もし水分がかかった場合は、速やかに拭き取りされることをお勧めいたします。また、堅牢なオイスターケースでもお風呂は厳禁です。温泉成分や石鹸が付着し、パッキンの劣化やケースの腐食が起こる危険性があります。お湯で時計の温度が上昇しますと、ムーブメントに注してある機械油が流れたり、劣化しますのでご注意下さい。

2:磁気について
 時計は磁気を帯びてしまうと進みや遅れ、止まりが発生する場合があります。身の回りには様々な磁気を発する物があふれていますので、ご注意下さい。
例:テレビ、パソコン、スマートフォン、鞄の磁石、車や家の鍵、磁気ブレスレットなど。磁気を帯びているかどうかは、コンパスを近づけると容易にわかります。

3:持続時間(パワーリザーブ)について
 停止状態からご使用を開始される際には、手巻き補助(40~50巻程度)を行っていただけますと、適切な持続時間が発揮できます。最初に手巻き補助をしないと、夜外して翌朝には止まっているようなケースも見受けられますので、そのような場合はいちどお試し下さい。

4:次回オーバーホール時期について
機械油は約3年で劣化を始めるといわれております。ご使用頻度にかかわらず、3~4年に一度のオーバーホールをお勧めいたします。

修理費用

オーバーホール 25,000円
裏蓋・チューブパッキン交換 2,000円
ゼンマイ交換 6,000円
ライトポリッシュ 10,000円
バネ棒2本交換 2,000円
防水テスト 0円
消費税 4,500円

合計

49,500円(税込)

※交換パーツの料金はメーカーの料金変更やスイスからの輸入時期により変動することがございます。