オメガ(OMEGA)シーマスター 300m|落下して動かなくなった。(オーバーホール)|時計のオーバーホール・修理事例/料金・費用

時計修理事例

CASE STUDY

オメガ シーマスター300m AUTOMATIC

オメガ シーマスター300m  AUTOMATIC

修理ブランド オメガ(OMEGA)
修理内容 オーバーホール
不具合内容 自動巻が効かなくなった後、落下して動かなくなった。

修理前
オメガ シーマスター プロフェッショナル300M 自動巻 Cal.Ω1120です。自動巻時計は、ローターの回転によって自動的にゼンマイが巻き上がります。お客様はご購入から10年以上になりますが、ここ数年自動巻がしなくなり、手巻きにてご使用されていました。しかし最近時計を落下させてしまったところ、手巻きでも動かなくなったとのことで、今回ネット申込にて初めて当社にオーバーホール集荷見積りをご依頼いただきました。

修理後
当社の技術者が裏蓋を開封して内部を拝見いたしましたところ、時計のムーブメントと本体ケースを接続している機止め板といわれる部品のネジが緩んで外れており、それがローターに挟まって自動巻が全く効かない状態でした。また、自動巻ローターの回転をゼンマイに伝える歯車である「切替車」が劣化・摩耗していたことにより、自動巻の巻上げ効率が落ちていました。さらに動力源であるゼンマイも経年劣化によって切れやすくなっていましたので、要交換という診断となりました。また、当社のホームページで外装研磨の事例をご覧になり、ライトポリッシュのご依頼もいただくことになりました。


今回交換したパーツです。
オーバーホールと共に、裏蓋パッキン、ゼンマイ、切替車が交換になりました。この3点は、最も劣化と摩耗が進みやすい部品になりますので、オーバーホール時には基本的に交換になるケースが多い部品になります。

オーバーホール後のご使用上の注意点をお知らせいたします。
1:防水について
時計の外装は、経年劣化や汗・汚れによる腐食やサビ等によって、新品時よりも防水性が低下しております。また、今回洗浄して汚れがとれたリューズやケースの隙間等から水分が侵入し、くもりの原因となる可能性がありますので、水回りには注意してご使用下さい。もし水分がかかった場合は、速やかに拭き取りされることをお勧めいたします。また、たとえ300m防水でも、お風呂は厳禁です。温泉成分や石鹸が付着し、パッキンの劣化やケースの腐食が起こる危険性があります。お湯で時計の温度が上昇しますと、ムーブメントに注してある機械油が流れたり、劣化しますのでご注意下さい。 

2:カレンダーの早送り禁止時間帯について
文字盤上で、長短針が午後6時~午前4時を指している間は、カレンダーの早送り禁止時間帯です。この時間帯は、カレンダーの歯車が切替モードに入っていますので、リューズ操作でカレンダーの早送りを行うと、半目になったり、日送りに抵抗感があったりします。無理に操作すると、歯車に無理な力がかかり、故障の原因となりますのでご注意下さい。特に0時前後の数時間はカレンダーが動かないので操作できません。無理に操作すると歯車が破損しますのでご注意下さい。

3:磁気について
時計は磁気を帯びてしまうと進みや遅れ、止まりが発生する場合があります。身の回りには様々な磁気を発する物があふれていますので、ご注意下さい。
例:テレビ、パソコン、スマートフォン、鞄の磁石、車や家の鍵、磁気ブレスレットなど。磁気を帯びているかどうかは、コンパスを近づけると容易にわかります。

4:持続時間(パワーリザーブ)について
停止状態からご使用を開始される際には、手巻き補助(40~50巻程度)を行っていただけますと、適切な持続時間が発揮できます。最初に手巻き補助をしないと、夜外して翌朝には止まっているようなケースも見受けられますので、そのような場合はいちどお試し下さい。

5:次回オーバーホール時期について
機械油は約3年で劣化を始めるといわれております。ご使用頻度にかかわらず、3~4年に一度のオーバーホールをお勧めいたします。

修理費用

オーバーホール 20,000円
パッキン交換 1,500円
ゼンマイ交換 6,000円
切替車交換 4,000円
ライトポリッシュ(横9列コマのタイプ) 13,000円
防水テスト 0円
消費税 4,450円

合計

48,950円(税込)

※交換パーツの料金はメーカーの料金変更やスイスからの輸入時期により変動することがございます。