腕時計がくもったり、水入りした時の対処法について|時計のオーバーホール・修理事例/料金・費用

時計修理コラム

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2022.04.26

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腕時計がくもったり、水入りした時の対処法について

腕時計がくもったり、水入りした時の対処法について

なぜくもったり、水が入るのか

オメガ、ロレックス、タグ・ホイヤー、パネライなど有名ブランドはもちろん、比較的手頃な値段で購入できるモデルでも『防水性』は腕時計にとって大切な付加価値のひとつです。

時計の文字盤や裏蓋に『100m/333feet』『300m/1000ft』『10BAR』などと記載があれば水中で使用しても問題はありません。ただし、腕時計は身につけて使用する実用品です。製造時の防水性がずっとキープされるわけではありません。

ものにぶつかったりしてケースにわずかな歪みが生じても防水性低下の原因になります。それ以上に、防水性を維持するパッキンは素材の性質上、経年劣化を起こしますので、年数が経てば防水性は自然と低下していくと考えていた方が水入りリスクを回避できるでしょう。

修理専門店だからこそ余計にそう考えるところは正直ありますが、時計の防水性を過信せず、もしくもりや水入りが発生した場合は、なるべく速やかにオーバーホールをお勧めします。

修理事例:ガラス面の内側がくもった場合

ガラス内部にくもり発生。しばらくしたらくもりが取れたので継続して使用していたところ、半年後にリューズが固着した為、オーバーホールをしたケースです。
写真にある通り、リューズから水分が入った痕跡がよく分かります。巻芯が錆びており、それが原因でリューズ操作ができなくなっていました。
一時的にくもりがとれても、湿気は時計内部に残っていますので、内部パーツが錆びる原因となります。くもりが発生した際は、すみやかにオーバーホールを実施する必要があります。
※時計内部は密閉されていますので、時計を乾燥剤に入れても内部の水分は除去できません。

オメガ スピードマスター自動巻 《日常生活用防水》

修理内容

リューズから水分が侵入し、曇りが発生していました。そのまま半年間放置したため、巻芯からサビが広がっていました。
くもりが出てすぐにオーバーホールすれば、基本料金+パッキン交換のみで済んだケースです。

オーバーホール基本料金28,000円
 +パッキン交換1,500円
 +リューズ交換14,000円(サビ)
 +巻芯交換1,500円(サビ)
 +防水テスト(0円)
45,000円+税4,500円=合計49,500円

※文字盤や長短針に、水分が乾燥した跡が残る場合がありますが、これは除去することができません。
これを綺麗に修正するには、文字盤の仕上げ直しや交換をする必要があります。

時計の防水性について

ご購入時には10気圧防水、20気圧防水の時計でも、10年経過すればケース、裏蓋等の金属や防水パッキンの劣化・腐食により防水性は低下します。
車検と同じ感覚で、4~5年に一度、定期的にオーバーホールを実施されることで、時計の寿命を延ばすことができます。

日常生活用防水=3気圧防水

日常生活での汗や洗顔時の水滴、にわか雨などに耐えることのできる程度の 防水機能です。例えば水道水は3気圧を越えますので、水道で洗ったりすると 水分が侵入する可能性大です。ご注意下さい。

50m防水=5気圧防水

洗顔で水道の水がかかっても大丈夫な程度です。 時計を水中に入れるのはおやめください。

100m防水=10気圧防水

うっかり水中に時計をいれてしまっても大丈夫な程度です。 腕の振りによって10気圧を超える危険性がありますので、洗車、水泳はお避け下さい。
また、それ以上の防水性を持っていても、水中や濡れたままの状態で リューズ・プッシュボタン操作を行うと水分が浸入しますので、絶対にお避け下さい。
たとえ3000m防水でも、お風呂は禁止です。温泉成分や石鹸が付着し、 パッキンの劣化やケースの腐食が起こる危険性があります。ご注意下さい。

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