修理前
1960~1970年代製造のオメガ デ ヴィル自動巻です。文字盤の剥がれで長年保管されていたそうですが、今回店舗にご持参になり、文字盤再生とオーバーホールのご依頼をいただきました。
修理後
先に時間のかかる文字盤の再生作業に入りました。その間に技術者がムーブメントのオーバーホールと各歯車類の歯先とホゾ(軸)の磨きを行い、精度を調整いたしました。ムーブメントのオーバーホールは先に完了し、文字盤再生作業が上がった段階で取りつけし、無事完成いたしました。
今回交換したパーツです。
オーバーホールと共に、各歯車類の歯先とホゾ(軸)の磨きを行い、精度の調整をいたしました。これでまた今後もご使用いただけるようになりますが、お時計は古い年代のお品物になりますので、内部のパーツ類は摩耗や経年劣化が進んでおります。こちらはアンティーク品といえる年式で、内部の耐久性も弱くなっているお時計ですので、現行品と同様にご使用いただきますと、ネジの緩みや摩耗、破損など様々な不具合が出てくる恐れがございます。できれば毎日の着用は避けていただき、できるかぎり休み休みご使用されることをお勧めいたします。
オーバーホール後のご使用上の注意点をお知らせいたします。
1:防水について
こちらはアンティーク時計になりますので、非防水となります。水回りには注意してご使用下さい。もし水分がかかった場合は、速やかに拭き取りされることをお勧めいたします。くもりが発生した場合は、内部がサビますので大至急内部乾燥が必要です。当店までご連絡ください。
2:磁気について
時計は磁気を帯びてしまうと進みや遅れ、止まりが発生する場合があります。身の回りには様々な磁気を発する物があふれていますので、ご注意下さい。
例:テレビ、パソコン、スマートフォン、鞄の磁石、車や家の鍵、磁気ブレスレットなど。磁気を帯びているかどうかは、コンパスを近づけると容易にわかります。
3:持続時間(パワーリザーブ)について
停止状態からご使用を開始される際には、手巻き補助(40~50巻程度)を行っていただけますと、適切な持続時間が発揮できます。最初に手巻き補助をしないと、夜外して翌朝には止まっているようなケースも見受けられますので、そのような場合はいちどお試し下さい。
4:次回オーバーホール時期について
機械油は約3年で劣化を始めるといわれております。ご使用頻度にかかわらず、3~4年に一度のオーバーホールをお勧めいたします。