パネライの代名詞とも言える「ルミノール」。その重厚で堅牢なケースデザインと、イタリア海軍の歴史に裏打ちされたタフな哲学が、多くの時計ファンを魅了し続けています。その心臓部を支えるのが、2009年に登場した自社製自動巻きムーブメント「Cal.P.9000」、そして、2016年からの薄型化された後継機「Cal.P.9010」です。
このムーブメントは、3日間のロングパワーリザーブやデイト表示、瞬時に時針を調整できる機能(P.9010ではハック機能追加)など、実用性の高い設計が特徴で、まさにパネライの技術力が凝縮された存在です。
自社製ムーブメントの「壁」と当社の技術力
Cal.P9000やP.9010のようなメーカー独自の自社製ムーブメント(インハウスムーブメント)は、その構造の特殊性から、一般の修理店では取り扱いが困難とされ、正規メーカー以外での修理やオーバーホールを受け付けないのが通例です。これにより、「メーカー修理は高額になる」「納期が非常に長くかかる」といった点が、オーナー様にとって大きな悩みとなっていました。しかし、ご安心ください。当社では、長年にわたり培ってきた高度な技術と、独自の部品調達ネットワークを駆使することで、このパネライ Cal.P9000(P.9010)を含む、自社製ムーブメントの専門的なオーバーホール対応を実現しています。メーカー基準に劣らない、あるいはそれ以上の細やかなケアを、よりリーズナブルかつ迅速に提供することが可能です。
P.9000/P.9010にこそ不可欠な定期オーバーホールの重要性
自動巻きで3日間のロングパワーリザーブを誇るCal.P9000/P.9010は、頑丈な設計ではありますが、精密な機械である以上、定期的なメンテナンスは避けて通れません。
・潤滑油の劣化と摩耗の進行
時計内部の潤滑油は、ご使用年数とともに酸化・乾燥し、その性能は低下していきます。潤滑不良は、歯車などの部品の摩擦を急激に増加させ、最終的に精度不良や部品の破損といった重大なトラブルを引き起こします。
・自動巻き機構の点検
常にローター(自動巻きの錘)が動き続ける自動巻き機構は、特に巻き上げ効率に関わる部品(ローター真、切替車など)に負荷がかかりやすい構造です。これらの部品は摩耗しやすい箇所であり、定期的な分解・点検による適切な注油や部品交換が長寿命化の鍵となります。
・隠れた不具合の早期発見
オーバーホールでは、ムーブメントを完全に分解し、一つ一つの部品を洗浄・点検します。これにより、オーナー様ご自身では気づきにくい、摩耗やサビ、組み付けの微細な異常をプロの目で早期に発見し、適切な処置を施すことができます。
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ウォッチ・ホスピタルでオーバーホールを行うメリット
パネライの自社製ムーブメントをメーカーではなく当社のような修理専門業者に任せることには、明確なメリットがあります。
・費用を抑えた修理が可能
メーカー修理が高額になる傾向にある中、当社では中間マージンやブランドコストを抑え、適正な価格でのオーバーホールを提供します。
・柔軟なパーツ対応
メーカーが一律で交換する方針の部品であっても、当社の技術者が部品の状態を精査し、修理・調整で対応可能な場合は費用を抑える提案が可能です。また、独自のネットワークにより、高品質な互換パーツや純正パーツを調達し、確実な修理を行います。
・迅速な納期
メーカーへの修理依頼に比べて、部品在庫や技術者の状況により、より迅速にオーバーホールを完了させることが可能です。
実際の費用は? 具体的な内訳
自社ムーブメントのメンテナンスは、高額なイメージがあるかもしれません。今回の修理にかかった具体的な費用を見てみましょう。
パネライの自社ムーブメントは、その構造の複雑さからオーバーホール費用はやや高めですが、今回の事例では発生しませんでしたが、もしパーツ交換が必要になった場合でも、当社では独自のルートで純正パーツや互換性のある高品質なパーツを入手し、修理対応が可能な場合があります。正規店に依頼するよりも、リーズナブルな価格で修理が完了するケースも少なくありません。
パネライの「孤高の海軍時計」としての価値とタフな精神を未来に繋ぐためにも、4〜5年に一度を目安とした定期的なオーバーホールをご検討ください。愛用のP.9000/P.9010を熟知した専門技術者が、お客様の時計を最高の状態に蘇らせます。あなたが愛するパネライは、その歴史と物語を紡ぐ存在です。その価値を未来に繋ぐためにも、ぜひ一度、点検を検討してみてはいかがでしょうか。










